「共通テストが5割だったら、国公立大学はもう無理なのかな?」
大学受験の情報を調べていると、そんなイメージを持つことがあります。でも、河合塾Kei-Netの2026年度入試データを確認すると、共通テストの得点率が50%を下回っていても、国公立大学に合格した例がありました。
2026年10月15日の大学ジャーナルオンラインの記事をきっかけに、実際の合格者データを調べてみました。全国の実例とともに、栃木の受験生にも身近な宇都宮大学・群馬大学の数字を見ていきます。
最初に注意:「共通テストの合格最低点」「合格者平均点」「予想ボーダー得点率」は違う数字です。この記事では、表ごとに区別して紹介します。
共通テスト5割未満でも国公立大に合格した例
河合塾Kei-Netが公表する「2026年度 国公立大 合格最高点・最低点・平均点一覧」を確認すると、実際に合格した人の共通テスト部分の最低点が50%未満の募集区分が見つかります。
| 大学・募集区分(2026年度前期) | 共テ合格最低点 | 得点率 |
|---|---|---|
| 釧路公立大学・経済学部 | 280/600点 | 46.7% |
| 室蘭工業大学・理工学部 システム理化学 | 323/900点 | 35.9% |
※河合塾Kei-Netの2026年度一般選抜データにある「共通テスト部分の合格最低点」。得点率は得点÷大学別換算配点から計算(小数第2位四捨五入)。出典:釧路公立大学、室蘭工業大学。
35.9%という数字を見ると、かなり意外ですよね。
ただし、これは「その得点率なら2027年度も合格できる」という意味ではありません。選抜方法、二次試験の配点、志願者の顔ぶれ、共通テストの難易度などで結果は変わります。たまたまその年度の合格者の中に、共テ部分の得点が低かった人もいた、という実績です。
大学ジャーナルオンラインの記事でも、こうした数値が出ているのは共通テストと二次試験の結果を分けて公表している大学に限られる点が説明されています。数字が見つからない大学が、必ずしも高得点ばかりというわけではありません。
宇都宮大学・群馬大学はどうだった?
全国の話だけでは実感がわきにくいので、栃木県からも検討しやすい大学を見てみます。ここで紹介するのは2026年度前期入試の「共通テスト部分の合格者平均点」。さきほどの最低点とは異なります。
| 大学・学部/募集区分 | 共テ合格者平均点 | 得点率 |
|---|---|---|
| 宇都宮大学・工学部 基盤工(化学系) | 412.6/700点 | 58.9% |
| 宇都宮大学・共同教育学部 芸術・生活・健康系 | 476.6/800点 | 59.6% |
| 群馬大学・理工学部 物質・環境 | 541.89/950点 | 57.0% |
| 群馬大学・共同教育学部 学校-技術 | 393.42/950点 | 41.4% |
※いずれも2026年度前期の合格者平均点(共通テスト部分)。最低点ではありません。各募集区分の大学別換算配点に対する割合を算出。出典:河合塾Kei-Netの宇都宮大学・群馬大学の2026年度データ。
特に目を引くのは、群馬大学・共同教育学部「学校-技術」の41.4%。これは一人の最低点ではなく、合格した人たちの共テ部分の平均点です。
もちろん、特定の専攻の1年分の実績を見て「群馬大学なら4割で合格できる」と考えるのは危険です。学部・専攻・年度ごとに状況が異なることが、むしろデータから伝わってきます。
予想ボーダーと実際の合格最低点はどう違う?
ここは保護者がとても混同しやすいポイントです。
- 予想ボーダー得点率:河合塾が「合格可能性50%の目安」として示す予測値。
- 共通テストの合格最低点:実際に合格した人のうち、共テ部分の得点が最も低かった人の点数。
- 共通テストの合格者平均点:実際に合格した人たちの共テ部分の平均。
- 総合点の合格最低点:共テと二次試験など、合否判定に使う得点の合計の最低点。
「ボーダー以下=絶対不合格」ではありません。一方で、過去に最低35%台で合格した人がいたからといって、それが次の年の合格ラインになるわけでもありません。
また、共テ最低点を取った人と、総合点の最低点を取った人が同じとは限りません。比較するときは、表の「区分」をよく確認したいですね。
関連記事:模試D判定・E判定でも受ける?志望校を下げる判断はいつ?
共通テストで思うように取れなかったとき、親子で確認したいこと
実際に出願先を考えるときは「得点率が何%か」だけで決めず、次の点を一緒に確認するのがおすすめです。
- 大学・学部別の配点で換算する。同じ素点でも、得意科目の配点が高い大学なら得点が変わります。
- 募集区分ごとの入試結果を見る。前年の平均点なのか最低点なのか、共テ単独か総合点なのかをチェック。
- 二次試験との配点比率を見る。二次で挽回しやすい方式でも、本人の得意科目との相性が重要です。
- 二段階選抜の有無を確認する。大学によっては二次試験を受ける前に共テ成績による選抜があります。
- 本人の希望と併願計画を確認する。通学・生活費や私大との出願、入学手続期限も含めて考えると安心です。
関連記事:共テを受けても二次に進めない?国公立大学の「2段階選抜」
まとめ:共テ5割=国公立を諦める、ではない
河合塾の2026年度実績を見ると、共通テストの得点率が5割を下回っても国公立大学に合格した例は、確かにありました。
ただ、「5割でも受かる大学リスト」として数字だけを受け取るのは要注意。ボーダー予測・合格最低点・合格者平均点の違いを理解し、大学ごとの配点と二次試験まで確認することが大切です。
共通テスト後は親も子も焦りがち。点数を見てすぐに可能性をゼロにする前に、実際のデータを調べて選択肢を整理してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 河合塾Kei-Net|2026年度 国公立大 合格最高点・最低点・平均点一覧
- 河合塾Kei-Net|釧路公立大学
- 河合塾Kei-Net|室蘭工業大学
- 河合塾Kei-Net|宇都宮大学
- 河合塾Kei-Net|群馬大学
- 大学ジャーナルオンライン|国公立大学の合格最低点(2026年10月15日)
※2026年10月16日時点で確認した公開情報をもとに作成。この記事に掲載した得点率は、河合塾Kei-Netの公開点数・換算配点から計算したものです。2027年度の出願判断には、大学公式の最新募集要項・河合塾などの最新予想データを確認してください。
